たまてばこ
「宮田建築のNEWS LETTER 」
いつもありがとうございます。
日に日に季節も進み、紅葉が楽しみな時期になりましたね。
写真は、10月半ばにいなべ市員弁町で撮ったコスモス畑です。
秋晴れの青空に鈴鹿山脈とコスモス畑がとてもきれいでした。
今回のテーマは「家づくり豆知識・照明・配線計画編」
お部屋のインテリアを作るのは、内装だけではありません。家具や照明器具をどのような物を選ぶかでお部屋の雰囲気は大きく変わります。
照明そのもののデザイン性、明かりをつけた時のお部屋の雰囲気や影がつくり出す雰囲気。
光と影をコントロールすることで快適な空間を演出できます。
照明選びと言っても何をどう決めていけばいいのかわからないことが沢山ありますよね。
内装などの色決めの時に大体の好きなテイストって決まってきますよね。ナチュラが好きだったり、シンプルモダンが好きだったり。
好きなテイストが決まっていると選ぶ照明器具のデザインもおおよそ絞られてきます。
照明器具にもさまざまな形があります。
【シーリングライト】
天井に直接取り付ける照明器具。部屋全体を照らす全般照明として使うため、部屋の大きさに応じて器具のサイズや明るさを選ぶ。設置には引掛けシーリングを使用する。
【スポットライト】
局所的に照明をする器具。天井埋込タイプと吊り下げタイプがある。全般照明のほか壁を舐めるように照らすウォールウォッシャーなど配光のバリエーションが多い。
【ダウンライト】
天井から照らす照明器具。天井に小さな穴を開けて器具を埋め込む。室内はスッキリとするが施工に手間がかかる。
【ペンダントライト】
コードやワイヤー、チェーンなどで天井から吊り下げる照明器具。吹き抜けや食卓の上の天井に設置することが多い。食卓の場合、テーブルの大きさを考慮して選択する。また、シェードがあるとランプの光が直接目に入らない。引掛けシーリングに取り付けるものと、ダクトレールに取り付けるものがある。
【シャンデリア】
天井から吊り下げる多灯照明器具。ペンダントより大型で煌びやかなものが多い。天井の高さや部屋の大きさ、器具の高さや寸法を十分考慮して設置する。器具に重量があるので、天井下地が荷重に耐えられるか必ず確認し、必要に応じて天井を補強する。
【ブラケット】
壁に直付けする照明器具。玄関灯として使用したり階段室、洗面所、浴室やメンテナンスがしにくい場所にも適している。壁から出っ張るため、人がぶつからないよう位置に配慮して取り付ける。なお、浴室や屋外は、防水・防湿性のある器具を使用する。
【スタンドライト】
床やテーブル、机などに置く独立した照明器具。床置きをフロアスタンド、卓上置きをテーブルスタンドまたはデスクスタンドという。デザインも豊富でインテリア装飾としての要素もある。また、配置や台数をかえて、部屋の明るさや雰囲気に変化をつけることができる。
【建築化照明】
壁や天井などに組み込んで建物と一体化させた照明。壁や天井に光源を隠し天井面や壁面を照らす反射光により、やわらかい光を演出する間接照明になる。
このように、器具にも様々な種類がありますがどの器具をどのように使うと効果的で理想の暮らしに近づけるかを考えてみましょう。
植物が太陽の方向へ伸びていくことを「向日性」と言いますが、人間にも向日性が備わっており光(照明)に意識を向ける性質があると思います。暗い中で明かりがポッ灯っていると人の意識はそこに向かうものです。その光が昼間の太陽のように白い色なら爽やかな気分になり夕日のような暖かみのある色ならリラックスして落ち着いた気分になります。このように私たちの感情は光に大きく影響を受けています。
感情だけでなく、体のリズムも光と密接なかかわりがあります。朝、明るい光を浴びると眠気を誘発するホルモンであるメラトニンの分泌が抑制されて覚醒し、夜になるとメラトニンが分泌されて眠気をもよおすようになっています。このリズムに合わせるなら夜は明るさを抑えた暖かみのある色の照明で空間を照らすといいですね。
場所によっても欲しい明かりの雰囲気などは変わります。
【玄関】
家の第一印象にもなる玄関。
自然光があまり入らないすこし薄暗いような場所に玄関が位置している場合は特に明るめの照明を選ぶようにしましょう。
対面する来客と自分の顔が明るく照らされる位置に設置するのがいいでしょう。
【お風呂】
狭い空間でも広々と感じられるようなスッキリとしたデザインで防湿性、防水性がある壁付照明やフラットパネルの照明がおすすめです。
お風呂で過ごす時間を大切にしたい方は、明るさを調節できる照明器具を選ぶとゆったりとした入浴時間をより充実させることができます。
【トイレ】
あまり大きな窓を設置しない場所だからこそ照明のデザインや明るさ次第で雰囲気を変えることができます。
ペンダントライトやダウンライトもおすすめですが足元を優しく照らすフットライトもおすすめです。
【リビング&ダイニング】
家族が長時間過ごすリビングは、明るさを調節できるものや照らす場所を調節できるものなど、いくつかの照明を状況に応じて使い分けれるように設置しておくことがおすすめです。
みんなでテレビを見たりする時は明るい照明、映画鑑賞をしたり夫婦でゆっくりお酒を飲んだりする時は暗めの照明など過ごし方に合わせて光を変えることで、その瞬間をより楽しむことができます。
~暖かみのある色=白熱灯、電球色、ろうそくの火の色、日の出日の入りの色~
→リラックスした雰囲気を与えたり料理が映える効果があります。色の再現性がよく、食欲を駆り立てる赤が鮮やかになります。
ダイニングなどに適しています。
~爽やかさのある色=蛍光灯、正午の太陽光~
→リビング、デスクワーク用で集中力を上げる効果があります。青みが強いので食欲はあまりわかない(ダイエット時には効果的)
ダイニングテーブルに照明を設置する場合、家具の大きさや照明のデザインによっても設置場所が変わるためあらかじめ家具の配置などもおおよそ決めておくといいでしょう。
【キッチン】
キッチン本体と食器棚などを設置するため、大きな照明を設置するのが難しいキッチン。
細長いタイプの照明を設置してキッチン全体を明るく照らすだけでなく、作業時の手元をしっかりと照らすことができるようにペンダントライトやスポットライトを活用しましょう。
【寝室】
あまり明るさが必要ない寝室は、まぶしくないようにダウンライトを設定する、寝転んだまま消灯できるようにリモコンタイプの照明を選ぶ、調光可能な照明を選ぶなど睡眠に集中できる環境を整えておくことが大切です。
【和室】
ほっこりした落ち着きのあたたかみのある和室は、明るくしっかりと部屋全体を照らすのではなく、ダウンライトや間接照明などを使用してやわらかい明るさを生み出すのがポイントです。
暖かな乳白色やオレンジ色のライトを選べばより穏やかな空間に仕上げることができます。
【廊下】
適度な明るさが確保されていれば十分な廊下は、足元が確認できて安全に歩行できる明るさの照明を選びましょう。
スッキリとしたダウンライトだけでなく、足元を照らすセンサー式のフットライトも設置しておけば夜の歩行も安心です。
土間などと合わせて広めの廊下を設置している場合、ペンダントライトやスポットライトなど、デザイン性を重視した照明選びもおすすめです。
お部屋の雰囲気を左右する照明計画と合わせて行うのが、暮らしやすさを左右するスイッチ・コンセントなどの配線計画です。
照明をどこに設置するかも重要ですが、忘れがちですが意外と重要なスイッチとコンセントの位置。
いざ、テレビを設置しようと思った場所にテレビ配線がなかったり、大型家具を置いてしまったらスイッチ・コンセントが隠れてしまった!なんてことが起こりがちです。
家具の配置や場所があらかじめ決まっているようなら、実際に図面に落とし込んでみてスイッチやコンセントの場所を決めましょう。
意外とコンセントをたくさん必要とするのがキッチンです。便利な調理家電がたくさんあり、いくつかの家電を使用されているご家庭も多いかと思います。
並べて置いておきたいのに、コンセントが足りない!なんてこともあります。
現在は持っていなくても、いざという時のために少し多めにコンセントを配置しておくと安心ですね。
また、スイッチの場所も実際に図面を見ながら生活導線を想像してみて「ここにあったら便利かな」という場所に配置するのがいいでしょう。
スイッチには、「離れた2つの場所でON/OFFが出来る3路スイッチ」と「離れた3つ以上の場所でON/OFFが出来る4路スイッチ」があります。
主に、廊下や階段で使われることが多いですが、これもまた、生活導線を想像してみてください。
例えば出入り口が2か所あるリビングで帰宅時に入る場所と就寝時に出る場所が違う場合など図面上だけでは気づかないこともあります。
間取りや性能も大事ですが、暮らしやすさも考えて住まい計画を進めてみてくださいね。