たまてばこ
「宮田建築のNEWS LETTER 」
いつもありがとうございます。
事務所前の公園の桜もすっかり葉桜になり、新緑が綺麗な季節になりました。
今回のテーマは「端午の節句とフィトンチッドのある暮らし」
もうすぐ5月です。5月と言えば端午の節句です。そもそも「端午の節句」って?
5月5日に行われる男の子の健やかな成長を願う行事ですよね。
では、なぜ「端午」?なぜ5月5日??
もとは月の端【はじめ】の午【うま】の日と言う意味で、5月に限ったものではありませんでした。
中国の古い暦では、十二支の寅(とら)から1月が始まります。午の月は5月です。
午の月の最初の午の日で5月5日のことになったと伝えられています。
なぜ男の子の節句と言われるようになったのでしょう?
端午の節句は別名「菖蒲の節句」とも呼ばれます。
旧暦5月5日は現在の6月にあたり、気候が不安定な時期です。この季節を乗り切るため、古代中国ではさまざまな厄除けをしていました。
香りの良いものが邪気を払うと言われたことから、菖蒲の葉を軒下に吊るしたり、根を刻んで入れたお酒を飲んだりされていました。
このような風習が日本に伝わり、お風呂に菖蒲を入れる「菖蒲湯」など、厄払いや薬草として菖蒲を用いるようになりました。
こうした理由から、現在まで「端午の節句」=「菖蒲の節句」として長く定着しています。
また、当時は武家社会だったため「菖蒲=尚武、勝負」などの言葉にかけられ、男の子が逞しく成長することを願い
「端午の節句=菖蒲の節句=男の子の節句」となりました。
さて「フィトンチッド」という言葉をご存じですか?
端午の節句でよく食べられる「柏餅」に使われている柏の葉や菖蒲湯で使われる菖蒲の葉をはじめ、
草や樹木には、絶えず侵入しようとする有害な微生物(菌や細菌)有害な昆虫から身を守るために
植物自身が自己防衛のために作り上げてきた物質を持っています。フィトンチッドとは、微生物の活動を抑制する作用を持つ成分の名前です。
フィトンチッドには、殺菌効果や防腐効果があり、柏の葉をはじめ食品の鮮度を保つことにも利用されています。
森に中には動物の死骸や排泄物など様々な堆積物などがありますが、
本来なら気になるこれらの臭気を全く感じさせないのは、フィトンチッドが消臭効果や脱臭効果を持ち、空気を浄化させているからです。
森林の香りはフィトンチッドによるもので、森林浴をするとその香りや澄んだ空気によって癒し効果をもたらします。
フィトンチッドの効果を利用しているのは、食品だけでなく住まいにも活用されています。
日本では昔から木の香りや効能を住宅に生かしてきた歴史があります。
ひのき風呂やクスノキのタンスもフィトンチッドの効果が活かされています。
木の性質を活かし優しい自然の風合いや香りがリラックス効果をもたらし、またカビ予防や消臭効果も発揮します。
木を木製品にしたり建材の加工されても効果は変わりません。
木材は湿気を吸収する働きもあります。高温多湿の環境の日本にはぴったりなのが木造住宅なのです。
木は、空間にある湿気をどんどん吸収し室内の湿度を快適に保ってくれます。その結果結露は起きにくく防カビ効果を発揮します。
シックハウス症候群の原因になるホルムアルデヒドなどの化学物質を中和し汚染空気を浄化する効果もあります。
建材や構造部分だけでなく、木のインテリアを楽しむことでフィトンチッドの効果を利用することもできます。
木製の家具でもフィトンチッド効果はあります。天然木の家具を置いてみたり、壁の一部にアクセントとして天然木のパネルを貼ってみたり。フィトンチッドは精油としても抽出しやすくアロマテラピーとして取り入れるのもいいですね。
調湿効果だったりリラックス効果を普段から取り入れてみてはいかがですか?
桜の時期も終わり、夏が始まる前のこの時期。新生活での緊張からちょっと疲れてしまうこの時期。
森林浴に出かけてフィトンチッド効果を満喫するのもいいですね。
また、時間が経ってもいつまでも森林浴のような癒される空間を作ってみてはいかがでしょう。