たまてばこ
「宮田建築のNEWS LETTER 」
いつもありがとうございます。
今年もジメジメの季節がやってきましたね。
外出するのも大変だし、家でじっとしていたくてもジメジメした家の中にいるのはいやなものです。
梅雨シーズンこそ、室内で快適に過ごしたいものですね。
今回のテーマは「家づくり豆知識・基礎構造と基礎の種類 編」
土地選びの後は、いよいよ建物です。
建物の基礎は建築物の重さを支え、地震などの力に抵抗する構造材です。
「基礎」という言葉は「物事の基本」という意味ですが、建築物の「基礎」も同様に建築物にとって一番の基本となります。
基礎が無い、または問題があれば、どんなに立派な建築物でも使いものにはなりません。
基礎の種類には、大まかに分けて直接基礎と杭基礎があります。
直接基礎とは、フーチングというコンクリートの土台(塊)により建物の重量を支えます。直接基礎の場合地盤に直接フーチングを設置します。地中梁の幅より広い部分をフーチングと呼び、地中梁とフーチング、これを合わせて布基礎と言います。住宅基礎では代表的な形です。(下左図)
直接基礎と杭基礎の違いは、建物の支え方の違いです。
また、直接基礎の中でも建物の支え方が異なり、独立基礎、ベタ基礎、布基礎という違いに分かれます。
独立基礎とは、柱の下のみ独立してある基礎のことです。
住宅ではあまり用いられない基礎様式ですが、非住宅建築物はほとんどが独立基礎様式です。独立基礎同士を「地中梁」と呼ばれる鉄筋コンクリートの梁でつなぎます。これは、基礎の転倒防止の目的もありますし、1階の床を支える重要な構造部材でもあります。
ベタ基礎の特徴は、まず基礎が沈下しにくいこと。ベタ基礎は床自体が基礎です。例えば、家の面積が30坪(約100㎡)であるならば100㎡すべてが基礎なのです。独立基礎と比べると、建物を支える範囲が多い分、沈下に対しても有利です。
次に、腐食や害虫被害に強いことです。木造住宅で被害が多いシロアリは床下の土中部分から木造の土台などに這い上がります。
ベタ基礎は鉄筋コンクリート版です。外周部は一般部より厚くすることで不同沈下に対処します。これにより、地面からの水分や害虫を遮断します。よって、木造の床も腐食しにくいというわけです。
床下全体を基礎にするということは、当然その分の費用は高くなります。ただし施工自体は簡単です。
布基礎は、独立基礎とベタ基礎の中間的な基礎構造です。布基礎は、柱下はもちろんですが、柱間を縫うように連続する基礎です。ただし、柱下や柱間以外は基礎がありません。よって独立基礎よりも基礎のボリュームは大きいですが、ベタ基礎より少ないです。
住宅に関して言えば、布基礎の特徴は経済性です。ある程度安定した基礎構造で、かつベタ基礎よりは安くなります。理由は、鉄筋コンクリートのボリュームが少なくなるからです。
直接基礎の3種類の違いをまとめると、
・基礎のボリューム:独立基礎<布基礎<ベタ基礎の順で大きくなる。
・腐食、害虫など:独立基礎=布基礎<ベタ基礎の順で有利。
・沈下に対する抵抗力:独立基礎<布基礎<ベタ基礎の順で大きくなる。
耐震性や構造的な強度に関しては一長一短ありますが適切に設計されるのであれば3種類の基礎で差はありません。
建物の基本となる「基礎」部分もしっかり考えたいですね。
トップの紫陽花の写真は、以前に訪れた福岡県春日市の春日神社の手水舎の手水鉢に紫陽花を浮かべた花手水です。
あまり詳しくはありませんが、奈良の春日大社から神様をお迎えしたことに由来しているとのこと。
桑名の桑名宗社(春日神社)も同じく奈良の春日大社から由来するそうですね。
遠く離れていますが、なんだか身近に感じます。
最近は、全国各地の神社やお寺に花手水を設置しているところも多いので
いろいろまわって見るのもいいですね。