施工実例
築40年以上前の日本家屋
三重県桑名市にある、築40年越えの日本家屋の建物外回りとなる板塀の取替工事のご依頼をいただきました。
ビフォアーアフター比較
下画像内の中央ラインを左右スライドさせることで、工事前と工事後のビフォアーアフターが確認できます。
立派な和風門に瓦屋根の付いた板塀ではありますが、木造部分は経年による風化、シミやアクなどの汚れ、日焼けによって損傷が発生しています。
将来的な運用(手入れのし易さや、工事コスト)を考え、アルミフェンスによる改修工事も提案致しましたが、やはり代々受け継いできた家だからこそ、風合いを保った状態で次の代に継ぎたいという想いから同じ木造工法にて改修工事を行わせていただく運びとなりました。
板塀の外れた箇所と柱は結束バンドで固定されていました。
板の下部が割れてしまった状態。猫が通りぬけるには丁度良い大きさ。
和風門の修繕作業
立派な和風門は、損傷度合いが低く大切に使われてきたのだと分かります。
既存のものを流用し、シミ抜き、アク洗い、日焼け落としたうえで木部保護塗料で塗り仕上げ最終処理を施工。手入れを行うだけで、見違えるように和風門が生き返りました。
ビフォアーアフター比較
和風門正面。くすんだ色からパッと明るい木材の色に。
軒裏もご覧の通り綺麗になり、門を潜るのが気持ちよくなりますね。
その後、門部分の屋起こし、傾き調整と補強に筋かい入れます。
サンドペーパー掛けも行い、塗装時の毛羽立ちを抑え、手触りも良くなるよう表面処理を施しています。
板塀の解体
次に板塀の解体を行いました。(解体後の写真はありません)
和風門とは違い、劣化と損傷の目立つ板塀は既存部を使いまわすことができず、全て作り直し、組み直しとなります。
一寸たりとも狂うことなく正確に採寸するのも大工ならではの得意技。
宮田建築の木材加工場
桑名市内にある弊社の木材加工場にて採寸した数値をもとに、板塀の部材となる木材を切り出して行きます。
少しでも位置がズレれば枠にはまらなくなります。
何度も慎重に図りながら、一本一本、一枚一枚、部材を作って行くのは、皆さんからしたら気の遠くなる作業であることに間違いありません。
我々大工にとっては、完成を想像しながら行っていく、こうした作業が楽しかったりします
込み栓
柱の埋め込み部には、込み栓と呼ばれる技法を用いています。先端に空洞を開け、釘を使わなくて済むようにする技法です
裏門扉の柱部分に使用しています。
希少なヒバ材や檜(ヒノキ)を加工して出来上がった柱や板材の数々。
このままでは耐候性に欠けますので、保護塗料塗り、乾燥させてから組み立てとなります。
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土台、柱、笠木の組み立て
加工場にて作成した部材を用い、土台、柱や笠木など取り付けと組み立てていきます。
▼写真クリックで拡大表示
続いて板張りを行いました。
当然キッチリと採寸しておりますが、狂いなく綺麗に収まりホッとします。
ビフォアーアフター比較
和風門正面。くすんだ色からパッと明るい木材の色に。
痛みの激しかった控え柱は、外からは見えない部分でもあり重要な役割を担うため、メンテナンス不要で丈夫なアルミ材のものに作り替えました。
大掛かりな板塀改修工事が完了
柱や笠木など骨組みも組み終わり、板張り施工も完了。
そのほか、取り外した塀瓦を再度すべて復旧し板塀工事完了です。
くぐり戸は新しく作り、ポストとインターホンの新調しました。
裏門扉も新しく作り直し、扉上部には床の間で使用する化粧柱に保護塗料を塗ってから取付け以前のものとはまた違った雰囲気になりました。
大掛かりだった板塀改修工事も完了です。
この家が建てられた頃から長きに渡り、家を守ってきた板塀が生まれ変わりました。現代の技術や古来の組み立て技法を用いた事で、この先何十年先までも家を守ってくれるのではないでしょうか。
海外では、古い住宅にこそ価値があり、大切に保全して住むことが多いと言われています。
昨今の日本でもリフォームやリノベーションなどを行い、経年の住宅であっても長く住むことが増えつつあります。
皆さまの家に代々伝わる家屋や、幼き頃より住み慣れた「お住まいを長く大切に受け継いで頂く」という考えも増えつつあるのは、大工としても嬉しい限りです。
ビフォアーアフター比較
下画像内の中央ラインを左右スライドさせることで、工事前と工事後のビフォアーアフターが確認できます。
大工仕事が得意です
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